木川統一郎の公式ホームページ

木川統一郎

お茶の水法律特許事務所所長・木川統一郎の公式ホームページ

木川統一郎の考え

ここ10年ほど世界の鑑定制度を研究した。
私は科学的紛争を科学者でない法律家裁判官が裁くという現行法は誤りであると主張したい。
21世紀の立法者の目標は、科学者と法律家の混成による裁判所を専門分野ごとに徐々に創定していくことにおくべきだと考える。
なぜそう考えるのか?
1806年のフランス民事訴訟法は、ゼネラリストである法律家裁判官は、広い教養をもち、いろいろの専門分野についても興味をもち、専門にわたる紛争を、専門的にも正しく判断できると考えた。
しかし科学技術の進歩と複雑化は、このような理念型としての裁判官像を根底から覆している。
ところが、この1806年のフランス法の裁判官像はその後ドイツ民事訴訟法及び
刑事訴訟法に輸入され、オーストリア、スイス、そして日本にも輸入された。
その結果として現在次のように解されている。
すなわち裁判官は、専門的紛争(例:医療過誤事件や建築瑕疵事件)を裁くときに専門知識がないので専門家を鑑定人に任命してその意見をきいて裁判する。
専門がわからないから鑑定人をたのむ。ところが、鑑定書が提出された瞬間から今度は裁判官がその鑑定意見を専門的に評価することができ、評価する義務があるとされている。
これが現在のドイツ、オーストリア、スイス、そして日本の鑑定制度の基本的な枠組みである。
これは一種の体系矛盾である。
科学的真実は科学者でなければ正しい判断はできない。
技術の問題は技術者が裁判官にならないと正しい判断はできない。
科学的、技術的紛争を裁くのには、科学・技術の知識と法律の知識の両方が必要なのである。
これが法律家と科学者・技術者の混成による裁判所を勧める理由である。
おそらく100年かかるだろう。

木川統一郎プロフィール

お茶の水法律特許事務所所長。

主に、民事訴訟法、ドイツ法を専攻し
その活動は国内外に問わず多岐にわたる。

中央大学法学部卒、元中央大学法学部教授。

昭和48年、弁護士・弁理士登録。
平成6年、ドイツ連邦共和国功労十字勲章受章(勲一等)。      
平成18年、ドイツ連邦共和国大功労十字勲章受章。      
平成20年、日本外務大臣賞受賞。

→プロフィール詳細はこちら